君に愛の唄を
──キンコンカンコン…
タイミングが良いのか悪いのか…チャイムが鳴った。
みんな席に座りだした。
紗英も寂しい瞳を私に見せると席に戻って行った。
私は混乱した頭を必死に動かした。
落ち着け…
落ち着くんだ、私。
そう思った私は冷静に教室を後にした。
今の教室は、凄く居心地悪く感じたから。
後ろから聞こえる先生の私を呼ぶ声なんて無視して私は走った。
どうしよ…
どうしよ…
どうしよ!
いずれはバレることだけど、こんなに早いなんて思ってなかったからどうすればいいかわからない。
心の準備ができてないっつーの!
だいたい何でバレてんのよ!?
どうして…
紗英、ごめんね。