君に愛の唄を
怖いんだ。
紗英を失うのが。
あんなに大好きだったのに…
あんなに良い子なのに…
こうなるってことはわかってたのに私はっ……言えなかったんだ。
バレることも怖かった。
私は何もかもに怯えて、何もかもが嫌な方向へと行ってしまった。
全て、私が勝手に空回りしてるんだ。
「んで、どうすんの?」
「わかんない…」
「大切なんだろ?草場のこと。なら…」
「わかんないの!!!」
嫌だ…
「どうすればいいかわからないの!どうすれば紗英を失わずにすむのか!」
こんなこと言いたくないよ。
だけど、パニックを起こした私の思考回路は言うことを聞いてくれない。
勝手に口から言葉が…