君に愛の唄を


涙も止めどなく溢れ出して…

まるで自分がわからない。


私は蓮のポケットから自分の手を出して、自ら蓮の手を手放した。



「……ひとりにして」



本当は今、蓮の温もりが必要なの。

だけど、蓮の温もりに甘えてしまったら何もかもにケジメがつかない。



「そうか。風邪ひくなよ…」



蓮は自分のブレザーを私の肩にかけて屋上を去って行った。


蓮のブレザーは特別温かく感じた。

きっと錯覚なんだろうけど…


ありがとう、蓮。
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