君に愛の唄を
そんな、奇跡の可能性を捨てるなんてもったいないことしたくない。
白い息を「ハァ~」と吐く。
今日から11月。
本格的な冬の到来だ。
「おはよ、心菜」
「あ、おはよう!」
私はね?この優しい笑顔があれば何も怖くないんだ。
そう感じることができるのはただ一人。
蓮だけ。
世界でたった一人…
「吹っ切れた?」
「うん!…昨日はごめんね」
蓮の、この笑顔が好き。
目尻を下げて愛しそうに私を見ながら笑ってる、この笑顔。
「いいよ。別に気にしてなかったし」
って頭をぐしゃぐしゃにする蓮の手。
「もう!気合い入れてセットしたんだからね!?」
なんて強がりながらも、嬉しいというのが私の本音だったりする。
でも、それを言わなくても蓮にはちゃんと伝わってるんだ。
心が繋がっているから。
それが妙に嬉しくて。
くすぐったくて。
幸せだなぁって実感するんだ。