君に愛の唄を

──ガラガラッ…



教室に入ると異様な空気を感じとった。

それは蓮も同じだったらしく、二人は顔を見合せた。



「ねえ、どうかしたの?」


「それがね…───」



次の言葉に私は言葉を失った。



「草場さんが産婦人科の診察室から暗い顔で出て来たのを見た人がいるんだって」



産婦人科…?

紗英、妊娠してるの?


あんなに強い紗英がみんなが好き勝手言ってるのを黙って聞いてる。


紗英を見るみんなの眼差しが、変なものを見るような目で…冷たくて痛くて悲しい。


本当…なの?


でもね、本当でも私には関係ないよ。

だって私達『親友』でしょ?

だから、私には関係ないの。



「さーえ!おはよう!」


「心菜……」


「草場、おはよ」


「沢村……」



蓮……

私のしてること間違ってないよね?

だって、親友ってどんなことがあっても親友でしょ?
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