君に愛の唄を
「心菜、私のこと軽蔑した?汚いって思った?……別にそれならそれでもいいよ。覚悟はでき…」
──ギュウッ…
私は紗英を強く強く抱き締めた。
「何で、何でそんなこと言うの!?私は紗英のこと軽蔑してないし、汚いとも思わない!」
これは本心だよ。
絶対!そんなこと思わない。
だからお願い、そんな悲しい顔で悲しいこと言わないで。
「紗英は強いよ。綺麗で強いお母さん。……辛かったよね?一人で苦しかったよね?」
耳元で紗英の小さな小さな強がりな泣き声が聞こえる。
ごめんね。
気づいてあげられなくて。