君に愛の唄を
しばらくすると、紗英はだいぶ落ち着いたみたいで。
二人並んで座った。
「心菜…本当に、本当にありがとう。屋上に来るまでの間、凄く不安だった。軽蔑されたらどうしようって…」
バカだなぁ。
「さっきも言った。ずっと友達だって。どんなことがあっても、私は紗英の見方だから!」
私は出来る限りの笑顔で言った。
その言葉で紗英はまた泣き出してしまった。
「ほら泣かないの。本当、泣き虫なママでちゅね~?」
私は自分のブレザーを紗英の肩にかけ体を冷やさないようにし、お腹に話かけた。
紗英は泣きながら笑って「泣き虫なママじゃないよ~」って赤ちゃんに話かけた。
「ねぇ、触ってもいい?」
「もちろん!」
私は紗英のお腹に優しく触れ優しく撫でた。
「おーい、聞こえてる?元気に生まれて来て、ママを安心させてあげてね?君のママはね最高に優しくて綺麗なママだよ」
絶対、元気に生まれて来てね。
絶対だよ。