君に愛の唄を
紗英を見ると更に泣き出しちゃてて。
私は「ママになると涙脆くなるの?」なんて真剣に聞いちゃった。
それにはさすがに紗英も吹き出して笑っていて……
「もう泣きたいのか笑いたいのかわかんなくなっちゃった!」
だって。
泣いて笑って泣いて…
紗英は忙しいなぁ。なんて思っいながら冬空を見上げた。
冬の空は少し暗く見えた。
だけど紗英と赤ちゃんの未来は
明るい未来になりますように。
と心の底から願った。
横を見ると凛としたお母さんの顔の紗英。
「ねぇ、心菜…」
きっと紗英なら大丈夫。
「ん?」
ダメなら私が紗英を支えるから。
「ありがとう…」
紗英は一人じゃないからね。