君に愛の唄を


泣いた。

すごくすごく泣いた。

言ったことをすごく後悔した。


すごく、すごく…───



───────────
──────



「なぁ… 俺さめっちゃ心菜のこと好きなんだけど」


「え、いきなりなに?」



いつものサボり場所、屋上でいきなり唐突なことを言い出した蓮。


冬の寒さにも慣れた頃だった。


空を見つめる蓮に熱い視線を送る。

というよりは蓮から目が離せないと言った方が合っているような。



「…………」


「…………」



なにか言った方がいいのだろうか。


あまりの沈黙に私はどうすればいいのかわからない。



「あのさ…」



次の言葉が正直怖かった。

もし『別れよう』なんて言われたら……


でも、雰囲気的にはそう言われてもおかしくない雰囲気だった。


でも、さっきは好きだって……


しかし、蓮が言った言葉は私の想像を遥かに越えていた。
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