君に愛の唄を
「もう帰えるか?」
「もお、そんな時間かぁ・・・」
陸といる時間は進むのが早くて……どうして楽しい時間は進むのが早いの?
授業中は、なかなか進まないのに・・・
「そんな顔すんな。また遊び来ていいから」
「本当!?じゃあ、また来る!」
「本当に素直だな~お前は。俺の可愛い自慢の妹だ」
陸はおもいっきり笑ってる。
私も笑ってるけど心の底から笑えてない。
━可愛い自慢の妹━
さっきは妹で納得したつもりだった。
だけど、顔は笑ってるのに心は泣いてる。
あれ?
私…残念がってる?
「送ってくよ」
「ううん、いいよ。陸の家と私の家近いから…」
それより、一緒にいて私の心の中にある陸への想いが膨らむのが怖い。
陸は彼女がいるし、私のことを妹だと思ってるんだから。
好きになんかなりたくない。
好きになっちゃいけない。
私が陸のことを好きになると陸が困る。