君に愛の唄を




もしも、私が唄を歌えなくなったなら、私はどうすればいいんだろう…



そうゆう事は考えちゃいけないんだろうけど…




自分の中の空想ってわかってるんだけど…なんだか、不安になってきた。





「またサボってんのか?」




声のした方を見ると、いかにも「眠たいです!」みたいな顔をした蓮が立っていた。



何回も言うけど、水沢蓮にそっくり。



そして、相変わらずの冷めた瞳。




「あのぉ…昨日はなんかごめんね?嫌な思いさせたでしょ?」




どうも引っかかってた。蓮の気にさわる事を言っちゃったんじゃないかって・・・ずっと気になってた。



怒らせてしまったんじゃないかって。



誰にだって触れてほしくない所はある。



そこに私は、ずかずかと足を踏み入れてしまったのかもしれない。



だとしたら蓮に謝りたかった。








< 35 / 310 >

この作品をシェア

pagetop