君に愛の唄を
「俺は・・・まぁ、サラリーマンかな」
陸はそう言って私の心臓を『ドキンッ』と言わせる笑顔を見せてくれた。
はぁー…
私、陸のこと好きになっちゃうよ?
陸は気づいてないかもしれないけど……今、私の心臓の音を聞いたらびっくりすると思う。
・・・凄くうるさい。
それに気づいてない陸は、未曾有さに私の隣のブランコに座った。
更に私の心臓のドキドキが増したと共に、私はノートをお腹のあたりで『ギュウッ』と抱き締めた。
どうしよ…
鞄を持って来てないからノートを隠せないよぉ・・・
しかし、私の心配と裏腹に陸は鼻唄を歌いながらブランコを子供のように楽しんでいた。
しかも、その鼻唄がココロの歌だったから私はたまらなく嬉しくなった。