君に愛の唄を
「その曲ってココロだよね?・・・、ココロ好きなの?」
私は小さな声で恐る恐る聞いてみた。
聞いてどうなるってわけでもないが・・・やっぱり気になるじゃない?
私が作った曲をどう感じて鼻唄を歌ってくれているのか・・・
「ココロ?好きだよ。いや、奈々がココロの事好きでさ。俺もよく聞くようになったんだ」
「…なな?」
「あ、奈々は俺の彼女」
『奈々さん』っていうんだ。
その名前・・・聞きたくなかったかも。
だって、陸が照れた表情で話すんだよ?
凄く嬉しそうな表情で話すんだよ?
そんなに奈々さんの事が好きなんだ...
聞いた事を少し後悔してしまった。
好きな人の好きな人の話なんて誰だって聞きたくなに決まっている。
でも、しょうがないよね…
陸は私の気持ちなんて知らないんだから。