君に愛の唄を




「もしかして、心菜ちゃん?」




奈々さんは私の存在に気づいたらしく、きれいで可愛い笑顔で私の名前を呼んだ。



ん?ちょっと待てよ…



私と奈々さんは初対面のはずなんだけど。




「あ!紹介するな。俺の彼女の咲元奈々」




陸は奈々さんの肩を抱きながら私に奈々さんを紹介した。



陸に悪気は無いとわかっているけれど、陸は残酷な事を私にしてる。




「初めまして、咲元奈々です。よろしくね心菜ちゃん」


「中田心菜です」




私は出来るだけ心の中を悟られないように笑顔をふりまいた。




「陸の言ってた通りの子ねぇ。凄く素直で可愛い」


「だろ?俺の自慢の妹分」




そう言って陸は私の肩に手を回した。



━━バッ…



しかし、私は・・・陸の手を拒否して私の肩から払いのけてしまった。







< 45 / 310 >

この作品をシェア

pagetop