君に愛の唄を
「もしかして、心菜ちゃん?」
奈々さんは私の存在に気づいたらしく、きれいで可愛い笑顔で私の名前を呼んだ。
ん?ちょっと待てよ…
私と奈々さんは初対面のはずなんだけど。
「あ!紹介するな。俺の彼女の咲元奈々」
陸は奈々さんの肩を抱きながら私に奈々さんを紹介した。
陸に悪気は無いとわかっているけれど、陸は残酷な事を私にしてる。
「初めまして、咲元奈々です。よろしくね心菜ちゃん」
「中田心菜です」
私は出来るだけ心の中を悟られないように笑顔をふりまいた。
「陸の言ってた通りの子ねぇ。凄く素直で可愛い」
「だろ?俺の自慢の妹分」
そう言って陸は私の肩に手を回した。
━━バッ…
しかし、私は・・・陸の手を拒否して私の肩から払いのけてしまった。