君に愛の唄を
案の定……空気が一変して、変な空気になってしまった。
何か言わなきゃ。
何か言わないと。
この空気をどうにかしてしまわないと…
「…えとっ…その…お邪魔みたいなんで……帰ります!!」
私はそれだけ言うと、今までで一番速かったんじゃないかな?と思うぐらいに全力で走った。
絶対、変に思われた。
何やってんだろ・・・
別に、陸に触れられた事が嫌だったんじゃない。
ただ、奈々さんの前だったし…
━俺の自慢の妹分━
・・・悔しかった。
私はどう頑張ったって妹としてしか見てもらえないんだよね。
私はどうもがいても、心の中でどれだけ『好きだ』と叫んでも届かないんだ。
気づいてもらえないんだ。
こんなに好きなのに・・・
だとしたら・・・
もう、会いたくない。