君に愛の唄を
「おーい、心菜?どこ行きたいんだ?」
「…陸の家でまったりしたい」
別にどこでもいい。
陸と一緒に過ごせるなら、私はどこでも幸せな気分になれる。
そんな自信があった。
「俺ん家?俺ん家なんかでいいのか?」
「陸ん家がいいの!」
陸は何もわかってない。
陸ん家は予想以上に落ち着くよ?
陸ん家はそこら辺の遊園地より行きたいって思う場所なんだよ?
「わかった。じゃあ、明日お前が準備できたらメールか電話して?向かいに行く」
「わかった。じゃあ明日ね」
私は心臓のドキドキが我慢できなくなったのと、奈々さんへの罪悪感で気持ち悪くて、早々と電話を終わらせた。
これ以上、陸の声を聞いていると陸に会いたくなる。
・・・『好き』って伝えたくなる。