君に愛の唄を
「お邪魔しま~す」
「そんな他人行儀…ただいまでいいぞ?」
陸は笑いながら言ったけどさ…
本当に「ただいま」って言っちゃうよ?
冗談でそんなこと言わないでよ。
私は、本気で本気にしちゃいますよ?
「そこらへんに座って…」
私は言われるがままにソファーに座った。
陸がいっぱいの陸の部屋……
安心する陸の匂いの部屋。
陸だけが使っている物でできてる部屋。
陸が詰まった部屋。
……って私は変態かっ!
「どうした?」
「別に何でもないよ!」
陸…意外とするどい。
でも、さすがに私の気持ちには気づいてないよね?
「心菜は将来やりたいこととかあんの?」
「なんで?急にどうしたの?」
「いや、特に深い意味はないけど。
たださ、俺は特にやりたいことなんてなくて成り行きでサラリーマンになっちまったからさ…
心菜は高校生だろ?今のうちにやりたいこと見つけて馬鹿になった方がいいよ。
高校生で将来が決まるからなぁ…」