君に愛の唄を
歌姫の涙
季節は冬の制服に変わって、少し肌寒くなった頃…
サラリーマンの歌はお父さんに見せて、今はアレンジしてるらしい。
あれから陸とは会ってない。
「さっむ!」
「だったら教室に帰ればいいじゃん」
「冷てぇな…」
体育の授業を屋上から見学(サボり)していた。
蓮と一緒に…
なんか、蓮もついて来ちゃったんだ。
寒いなら教室に行けばいいのに。
「心菜さ、最近元気なくね?」
蓮の言葉の原因は……
やっぱり、好きな人の姿を見ないと元気の補充はできないんだね。
大丈夫、
諦められる。
いつかは……
「そういえば最近、蓮は早退しなくなったね」
毎日のように早退していた蓮が、嘘のように早退しなくなった。
「いや、留年したくないじゃん?」
「そうゆうことね…」
私がそう言うと蓮はため息をもらした。
どうした?