君に愛の唄を
私と蓮は奈々さんと別れたあと、私の家の近くの公園に行った。
いつも私が作詞している公園…
ブランコに乗りながら私は、さっきの出来事を頭の中で考えていた。
奈々さんが浮気をするような人だと思わなかった……
陸の気持ちを考えると、とてもじゃないけど冷静なんて保てない。
「ここなぁ?お前さ下ばっか見てないで上見てみろよ…」
上?
私は蓮の言葉通りに上を向いた。
「空…?」
「そお、空。泣きたい時俺は空を見てるんだ。別に我慢するんじゃなくて、空を見ながら泣くと不思議とスゲー気持ち良いんだ…」
上を向いたら涙が我慢できるって聞いたことある。
だけど、上を向いて泣くと気持ち良いなんて知らなかった。
そう気づいた瞬間、私はたまっていた涙が滝のように溢れた。
その時、蓮が背後から優しく…強く…抱きしめてくれた。
今日の蓮、優しすぎ…
調子狂っちゃう。