君に愛の唄を



私はこの日初めて学校をサボった。


サボるのは一日一時間だけと決めていたけど、どうしても行く気になれなかった。


今は蓮と顔を合わせられない…


私って弱いな。



「ただいま…」



私は、お母さん達に怪しまれないように少し公園で時間を潰して帰宅した。



「おかえり。お父さんがあんたの帰りをそわそわして待ってたわよ?」


「え…それって…」



「心菜!レコーディングの日程が決まったぞ」



やっぱり!

今回のアレンジは時間がかかるとお父さんに言われていたから少し不安だったけど、安心した。



ファンを随分待たせちゃったなぁ…



「今週の日曜日なんだけど、大丈夫?」


「うん。大丈夫だよ」



私はルンルン気分のまま自分の部屋に行ってベッドに寝そべった。


今日はテンションの上がり下がりが激しいな…



部屋の白い天井を見ながらぼんやり考えていた。



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