君に愛の唄を



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いつの間にか私は眠っていたみたいで、朝になっていた。


最悪…制服のまま寝ちゃった。


私はシャワーを浴びて少し早かったけど家を出た。



「朝早く外に出るのもいいね…」



そう思いながら欠伸をした時だった。

前方に見たことあるシルエットがあった。


欠伸のせいで目に涙がたまっていてボヤけてよく見えない……



でも、あのシルエット…

…陸…?



私の予想は的中した。

手で目をこすってみるとスーツ姿の陸の後ろ姿が目に映った。


─ドキンッ…



どうしよう。

話しかけるべきかな…

それとも、無視するべき?


でも、陸は私のお兄ちゃん。

私は陸にフラれたんだから、話しかけないのはおかしいでしょ…


私は意を決し、深呼吸をした。



「…り、陸!おはよー」



私の声は陸に届いたようだった。

陸はこちらに振り向いた。



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