君に愛の唄を
陸は笑顔で私に手を振って「おはよー」と言ってくれた。
私はそれに安心して陸の元へ走った。
「な~に笑ってんだよ!」
そう言って陸は、私の額にでこぴんをした。
あまり痛くない。
「てへへ…」
嬉しかった。
前みたいに戻れたことが。
前と変わらなく接してくれたことが。
「学校、頑張れよ?」
「出た、陸のおやじ発言」
私と陸がこうして並んで歩いている…
不思議なことに胸は痛まなかった。
この時、初めて陸をお兄ちゃんとして接せれたと思う。
だから、約束守るね。
とびきりの笑顔で…
「陸、行ってきます!」
私は陸の笑顔を確認してから走り出した。
この瞬間に、
私の陸への片想いが終わりを告げた…──