【完】好きです片桐くん!!
「―――片桐くん」
悲しく呟く私の声は、無性に青い空に消えていく。
南条先輩が言うには、今は救護室で片桐くんは手当てをしているようだ。
「大丈夫かな…っ」
虚しくなって、悲しくなって、愛しいからこそ心配で…
「お願いだよぉ…」
私は…こんな時でも、何にも出来ないんだ…。
「………なあなあ、あそこまで上手くいくとは思わなかったよなあ!」
「ああ、確かに!!あんなに上手くいくと、逆に笑えてくるよな〜」
会場の近くのベンチに座っていると、ふとそんな会話が耳に入ってきた。
「あの学校の主将…片桐だっけ?」
「そうそう。あいつを動けなくするために、ワザとあいつの竹刀を折れやすくしたんだもんなあ…」
「え―――?」