【完】好きです片桐くん!!



「っきゃあ!?」


いきなり、後ろに思い切り腕を引かれる。

そしてそのまま抱き付かれ、腕を鎖骨あたりに回される。


「………片桐…くん」

「こうなるかもしれないから、ここには橘を呼びたくなかったんだ」


片桐くんは息を軽くきらしながら、目線を前に向けて独り言のように話す。

私は片桐くんが来てくれた安心感で、体全体が脱力感に襲われる。


「……あ〜あ、彼氏さんのご登場かぁ」

「片桐だよね。ちょっとさ、彼女貸してよ」

「……断らせてもらう」


ピリピリとした空気が、片桐くんと男の人たちの間に漂う。


「あ、あのね片桐くん!試合で使った片桐くんの竹刀…ワザと折れやすくしてたんだよ!?」

「は?…本当に…か??」

「本当だよ!さっき、この人たちが話してるの聞いたもんっ!!」



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