【完】好きです片桐くん!!
私は眉間にシワを寄せて、片桐くんをジッと見る。
「片桐くんは、悔しくないの?」
「………」
「ズルされて負けて、おまけに怪我まで…私は許せないよ」
「俺だって許せない」
「じ、じゃあ―――!!」
“何で!?”とまた聞こうとしたら、片桐くんは私がそう聞く前に答えを言ってくれた。
「もう試合は終わったんだ。総合的には俺たちの学校が勝ったんだし、別に……」
「良くないよ!!そんなの、良くない…」
「分かってるよ!!でも…どんな理由にせよ、審判の判定は絶対なんだ」
「ズルをしたって証拠が無いなら、尚更だ」と片桐くんは付け足して、苦しそうに拳をギュッと握った。
「でも、でもぉ…」
涙が、ポロポロと出てくる。
「……何で、橘が泣くんだよ?」