【完】好きです片桐くん!!
「でも、もういい」と言って、片桐くんは柔らかな笑顔を見せた。
「………橘が知っていてくれたら、それで良いから」
「あ……っ」
ボボボッと、顔が真っ赤になるのが分かる。
だって、だってだってだって…そんな言葉…普通、彼女とかに言うもので……
「あの、あうぅ…」
「……さ、みんなが心配してるからさっさと帰るぞ」
片桐くんはそう言って、私の頭をポンポンッと叩いた。
柔らかく、優しく…
「……ね、ねえ片桐くん。今度また試合がある時は、絶対に…頑張って応援するからね!?」
ガッツポーズを前に出して、片桐くんに声を張って言い放つ。
「………ああ、その時は」
“―――橘のために、勝ってやるよ”
無邪気に笑って、そう言った。
ドキン、ドキンと心臓が柔らかく跳ね…大好きの気持ちがどんどん膨れ上がっていく。
「もう…片桐くんの方がズルいよ。大好き」