【完】好きです片桐くん!!
ビタッ!と、その声が聞こえる部屋の扉に耳をやる。
「良いじゃん聞かせろよお!片桐は、どんな子がタイプなわけ??」
「どんな子って…」
「ほら、性格とかでも良いし…ね??」
「性格…ですか」
片桐くんの声のテンションから、この質問に真剣に答えようとしていることが分かる。
ドキドキが、時間がたつにつれバクバクになっていく。
「俺は…大人しい子が好きですかね」
「……え?」
大人…しい??
「しいて言えば、落ち着きがあっていつも謙虚で…」
「落ち着き、謙虚…」
この単語たちは、私の性格にはまったく当てはまらない物ばかりだろう。
だんだんと、悲しくなってくる。
「橘みたいにテンションがいつも高いと、正直疲れますからねぇ」
「―――つっ」
ズガーン!!と、上から岩が落ちてきた感覚だ。