【完】好きです片桐くん!!
片桐くんがいきなり目の前に現れて、思考回路がメチャクチャになる。
何も考えられなくて、何か言ったら片桐くんに嫌われるんじゃないかって思ったり…
「………謙虚」
「は?」
ポツリと呟いた私の言葉に、片桐くんは意味が分かっていないようだ。
「……片桐くん、私マネージャーの仕事があるから。また後でね」
「え?たち…ばな??」
いつもの私なら、ここで片桐くんにガバリと抱き付いても良いところだ。
だが“落ち着き、謙虚”という言葉が頭の中でグルグル回って、いつものように振る舞えない。
「あ、橘!ちょっと手え貸してくれるか!?」
「は、はーい!!」
かなり不自然に、片桐くんに背を向けて走り出した。
「―――橘!!」
「ふぇ…?」