【完】好きです片桐くん!!
暗い夜道でも目立つ蜂蜜色の髪を揺らしながら、南条先輩が手を振ってやってきた。
「もう、二人とも探したよお!いつまでたっても帰ってこないからさあ…」
南条先輩は息を必死に整えながら、なんとか言葉を言っている。
「ああ、すいません。橘が靴擦れをしてしまって…」
「え?あ、そうなの??」
南条先輩はヒョイッと私に顔を向けて、私に近付いてくる。
「大丈夫なの美羽ちゃん?俺がおんぶしてあげようか??」
「いえ、もう歩けるので大丈夫です」
私がザックリ断ると、先輩は「美羽ちゃんのケチー」と言いながら少し頬を膨らませた。
「でも、お気持ちだけは受け取っておきます。ありがとうございます先輩」
「ん〜。ま、可愛いから許す!!」
南条先輩はそう言って、二カッと笑った。