【完】好きです片桐くん!!
バッと高遠くんから体を離して服の袖で口が当たった場所を拭いていると、いきなり低い声が上から聞こえてきた。
「今は部活中だ。ふしだらな行為はやめてくれ」
「片桐…くん」
今の会話や行動を見られたかと思うと、急にいろんな不安がグルグルと回りだす。
「……それもそうですね。主将の言うとおりだ」
「高遠…くん」
「じゃあ、また後でお話しましょうね橘先輩」
ニッコリと笑って、高遠くんは走って行ってしまった。
「………橘」
「は、はい!?」
いきなり名前を呼ばれて、背筋がピンッと跳ねる。
「ちょっと来い」
「え……」
低い声で命令されて、何故か肩が震え出す。
な、なんか…怖い。