【完】好きです片桐くん!!
ギッと高遠くんを睨むと、高遠くんは無表情で私を見下ろした。
「……まあ、今日はこのあたりで帰らせてもらいますよ。でも」
「今度来るときは、縁談を決定させてもらいます。無理やりね」と言って、高遠くんはふすまを開けて出て行った。
「………っ」
諦めない。
絶対に諦めない。
「私……」
もう一度、片桐くんに告白する。
どんな返事でも、私はいつまでも笑ってる。
片桐くんが好きな笑顔で、きっと言葉を返してみせる。
だから―――…
「……絶対に、今は泣かない」
私はそう言って、目頭を自分の袖で擦り付けた。
忘れられないから。
諦められないから。
「大好き、だから―――…」