【完】好きです片桐くん!!



「―――つっ…」


私、ダメだなやっぱり。

我慢しなきゃいけないのに、また…何で涙が出てくるんだろう??


「……ふえぇ〜…」

「……なに、泣いてんだよ?」


ビクリ!と、肩が震えた。

ソッと顔を上げてみると、目の前には眉間にシワを寄せた…片桐くんがいた。


「な、なん…っで!?」


た、確かに片桐くんは南条先輩と帰ったはず―――!?


「あ、あの…片桐く…っ」

「何でって聞きたいのは俺の方。何で…泣いてんだよ?」


呆れたように、怒ったように、片桐くんは私を見ている。


「……何でも…ない、もん」

「何でもないのにお前は泣くのか?」

「そうだもん!何でもないのに、私は泣くの!!」

「………」



< 56 / 322 >

この作品をシェア

pagetop