【完】好きです片桐くん!!
片桐くんは一瞬顔を伏せたかと思ったら、急に私を抱き締めた。
抱き……え??
「か、片桐く…何で!?」
「別に、何でもない」
「な、何でもない…のに、抱き締めない…でよお!!」
「じゃあ、何でもないのに泣くなよ」
「う、う〜…っ」
これは、私が勘弁しろと言われているのだろうか?
「………私、ね」
「ああ…」
「片桐くんのために…ね、ケーキを予約しようとね、したの」
「……ケーキ予約すんの忘れたとか?」
「………その通り、です」
私がそう言った瞬間、片桐くんは「はあ…」と深いため息をついた。
「な、何でため息なんてつくの片桐くん!?」
「……そんな、どうでもいいことで泣くなよ」
そう言って片桐くんは、私から体を離した。