彼は何より血を愛す
来るな……
来るな!
そんな願い届くはずがなくて
男がカーテンを開けた。
風呂から出てきたはずなのに……
なんで真っ赤なんだよ。
なんで服まで真っ赤なんだよ!!
なんで髪から落ちる滴も赤いんだよ!?
『風呂には今まで殺した奴の血が入ってる』
笑顔を絶やさない。
美しい男。
静かな部屋に響く
美しい声。
聞くだけで見るだけで
気持ち悪い。
「なんで……人の血を浴びんだよ!?」
恐怖で声が震える。
『いい質問だね……』