彼は何より血を愛す



痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。


『いい声でなくね……
嬉しいよ』


笑う口元のまわりには俺の血がついている。


もう悲鳴しか出てこない。


この男は狂ってる。
血の匂いに酔って狂ってしまったのか
元から狂っていたのか分からない。


だけど
こんなんじゃ
吸血鬼じゃないか……。


俺の瞳から涙が溢れた時
男の声が部屋に響いた。




『さぁ……始めようか』




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