極彩色のモノクローム
「…なんでアンタが…!奈々のかわりにアンタがいなくなればよかったんだ!!」
薄れていく意識の中で、
聞こえて来たママの声に、
私は絶望した。
そうか。
私がいなくなればよかったんだ。
奈々じゃなくて、
私が。
「なんて事言ってるんだ!!」
パパの怒鳴る声がして、
薄目を開ける。
白黒の視界に、
奈々の写真が見えた。
そうだ。
奈々のかわりに、
私が死ねばよかったんだ。
ママの泣き声が耳の奥に響く。
こんな私は、
生きている価値もない。
ねぇ奈々。
そうなんでしょう?