極彩色のモノクローム
その左頬に触れた。
顔にかかる髪を掻き上げれば、
左側の額から頬骨にかけて色が違うのがわかる。
びくりと、その体が揺れた。
「その時の…跡?」
私の問いに、
マスターは頷いた。
「気持ち悪いだろ?これ見て、女はみんな逃げていく。」
マスターはそう言って、苦笑した。
私は肘をついて体を起こすと、
そっと
その左頬に唇を寄せた。
「別に。
僕の目は”いかれてる”からね。ちょっと色が違うかなくらいにしか見えないけど?」
もしも、私の目が正常だったとしても、
きっと私にとっては
どうだっていい事だったろうけど。
敢えてそう口にした。