極彩色のモノクローム

互いの熱を分け合うように、

重なれられる唇を、

掻き回す舌を、

受け入れる。


背中にゾクリと快感が走った。


何もかもが奪われるようなキス。


それを気持ちいいと思う自分に驚く。


引きはがされるように脱がされた服が、

床に重ねられて。


冷たい空気が体を嘗めた。


「奈津…。」


呼ばれて、その顔を見上げる。


背中に手を回しかけて、
着たままのTシャツに眉をしかめた。



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