極彩色のモノクローム
「上、脱いでよ。」
私の言葉に、マスターは首を振った。
「さすがにこれは…。今、これ脱いで、やる気失せられるとちょっとキツい。」
言われて、私はマスターの体を押して起き上がると、その裾に手を差し込んだ。
「待てって…」
制止する手を払って、
無理矢理に脱がしたシャツ。
薄明かりに浮かぶ、白い肌。
引き締まった綺麗な体。
その、左肩から背中、腰にかけて。
これは、私にも見える。
明らかに、火傷の痕だ。
そっと、そのケロイドに手を伸ばす。
触れるのも躊躇われる程の傷痕。
手が、
震えた。
「触ったら…痛い?」
私の問いかけに、
彼は首を横に振った。