極彩色のモノクローム
ねぇ、
私に、
コンロを使うのを許したのはどうして?
私がいるときだけしか出ないから、
オムライスも
ナポリタンも、
それからサイフォンで淹れる珈琲も裏メニューだ。
ねぇ、
私は
その恐怖を少しだけ
和らげる事が出来てるのかな。
「お前がいれば平気なんだ。サイフォンを使える。だから、いないと困るんだよ。」
彼はそう言って、
私の髪を撫でた。
「傍に、居てくれ。奈津…」
切なげに囁かれる言葉。
私はその真剣な目から、
逃れられずにいた。
「愛してる。」
告げられた愛の言葉に、
私は頷いた。
繋がる身体が熱くて。
高みに駆け上がっていく。
幸せだって、
全身が叫んでいるのがわかる。
「淳…弥…ぁ…。」
名を呼ぶ。
私はこの人を愛している。
もう、止められない。
どうしようもなく。
愛している。
愛している。