極彩色のモノクローム
19:幸せへの一歩。
次の日、目が覚めた慣れないベット。
私を抱きしめて離さない腕。
穏やかな寝顔。
その左頬に唇を寄せる。
傍にいる。
火なんて怖くないって
言えるように。
「…ん。」
睫毛が揺れて、
その目がうっすら開いた。
「奈津…」
呟いたその顔が幸せそうに緩む。
「ちゃんと…居た…。」
寝ぼけてるのか、
喋り方が舌ったらずだ。
「居るよ。残念ながら。」
答えたら、彼はゆっくり私の体を引き寄せて額に唇を押し当てた。