極彩色のモノクローム
何を言われてるのかわからなくて、
私は首を傾げた。
真船さんが笑う。
「奈津ちゃんの筆跡じゃないって証明出来るはずだから。奈津ちゃんは結婚していない状態に戻れるよ。」
その言葉に、私は立ち上がった。
何それ。
「そんな事…できるの?」
呟く。
真船さんは何の躊躇いもなく頷いてみせた。
テーブルを回り込んで、
思わず抱き着いていた。
「本当に?あの男と結婚しなくていいの?」
真船さんの首に腕を回したまま聞くと、
真船さんは
「大丈夫。最悪、裁判をやれば絶対勝てるよ。」
と言った。