極彩色のモノクローム
3:モノクロの世界で。
「はい、奈津ブレンド。」
マスターの声に目を上げたら、
カウンターの向こうからいい香りのするカップが差し出された。
「まぁた、僕で新しいブレンド試すんだからぁ。」
言ったら、
マスターは笑って頬を掻いた。
その笑顔が、好きだった。
そう、私は恋をしていた。
あまりにも無謀で、
叶うはずのない、
恋。
まだ未成年の半家出娘と、
30代も半ばの喫茶店のマスター。
釣り合わないのはわかっている。
彼にとっては私なんて、
よく来る世話のやけるお嬢ちゃんだろう。
それでいいんだ。
こうやって、言葉を交わせるだけで。
マスターの声に目を上げたら、
カウンターの向こうからいい香りのするカップが差し出された。
「まぁた、僕で新しいブレンド試すんだからぁ。」
言ったら、
マスターは笑って頬を掻いた。
その笑顔が、好きだった。
そう、私は恋をしていた。
あまりにも無謀で、
叶うはずのない、
恋。
まだ未成年の半家出娘と、
30代も半ばの喫茶店のマスター。
釣り合わないのはわかっている。
彼にとっては私なんて、
よく来る世話のやけるお嬢ちゃんだろう。
それでいいんだ。
こうやって、言葉を交わせるだけで。