極彩色のモノクローム
「一緒に来て。
明日、
奈々の誕生日なの。」
私の言葉に、
彼は目を見開いた。
「誕生日?」
問われて、頷く。
「知らなかった。」
「うん。言ってないからね。」
私の言い方に、
マスターはやっと頬を緩めた。
「言えよ。定休日じゃなかったらどうする気だったわけ?」
言われて、私は肩をすくめる。
「さすがに夜のお墓は怖いか。」
それを聞いたマスターは、
大袈裟にため息をついてみせた。