極彩色のモノクローム
私が10歳になった年。

弟が生まれたその年に、
私はこの男に抱かれた。

私を必要としてくれる何かが欲しくて。

彼は私を欲してくれたから。

それ以来の関係だ。

自分を大切にしなさいと友達に言われた事もあったけれど、
私には大切にするような価値は無いと思っている。

耳にこびりついて離れない言葉は、私の卑屈な性格を更に助長した。


あんたが死ねばよかった。


二度と消える事はない。

私は、それでも生きている。



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