極彩色のモノクローム
「奈津…」

名を呼ばれて、ベットに横たえられる。


この男、此処からが長いのだ。


文句を言っても仕方ないのだけれど、

執拗に、

苦痛を覚えるまで施される愛撫は、
正直あまり好きになれない。


ゆっくり時間をかけて脱がされる服。


弱いところばかりを攻め続ける器用な指。


何度も昇りつめて、
涙が溢れても、
逃げることも許されない。


いい加減、体が言うことをきかなくなって、
吐き気を催すようになった頃、
彼は満足したように手を引いた。

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