極彩色のモノクローム
「馬っ鹿みたい。」
私は一人嘲笑うと、
扉に背中を付けて
ズルズルとその場に座りこんだ。
感覚が無くなる程、冷え切った指先に
息を吐きかける。
暗闇が、体に纏わり付いて離れない。
私は一人だ。
奈々が居なくなって、
私は
一人ぼっちになった。
奈々のせいにするのは
ズルイけど。
奈々が居れば、
側に居てくれたなら。
何かが違ったかもしれない。
私の半分、
同じ遺伝子を持った、
私の分身。