極彩色のモノクローム
空を見上げる。
夜空には
星が瞬いている。
らしい。
私の目は、
何億光年も向こうから届く弱い光を
映しはしないのだ。
ただ、
黒く塗り潰された天井が
頭上を埋め尽くすだけ。
小学校1年生までの
薄れた記憶の中に、
夜空を見上げたような記憶はない。
奈々はお星様になったのに
その星を
探す事すら
許されない。
暗くて見えないけれど、
タトゥーのある左手に
唇を
落とす。
立ち上がる気力がわかなくて。
でも、寒い。
ここで寝たら、死ぬかな。
そう思いながら、私は目を閉じた。
どうだっていい。
もう、
どうだって。