極彩色のモノクローム
7:発作。
咳込んで
目が覚めた。
嫌な咳。
絶望の色が、
ジワリと視界を染める。
薬を探して枕元に手を伸ばして
バックの中に入れっぱなしなのを思い出した。
ソファまでの距離が
こんなに長いとは。
私は這うようにソファにたどり着くと、
鞄をひっくり返した。
薬を吸入して、
目を閉じる。
焦っちゃダメだ。
大丈夫。
死んだりはしないから。
大丈夫。
こうやって、
一人でどうにか出来るようになってどれくらいになるだろう。
久し振りの発作。
寒い所で、寝たりしたからだ。
肺が痛い。
涙で滲んだ視界が、
灰色に歪んだ。