極彩色のモノクローム


男のする

クラシックだかなんだかのつまらない話に、

私はぼんやりと相槌をうっていた。


視界まで歪んできたのは、

熱が上がって来たからだろう。


もう、勘弁してほしい。


さっき発作を起こしたばかりの体は、
休息をねだっている。


「よろしければ是非、コンサートに行きませんか?」


言われて、
私は頷いた。


「機会があれば、是非。」


口が勝手にそう紡ぐ。


どうにでもして。


今は、
つまらない話に付き合っていられるほどの
余裕が無いのだ。



< 52 / 173 >

この作品をシェア

pagetop