極彩色のモノクローム
男のする
クラシックだかなんだかのつまらない話に、
私はぼんやりと相槌をうっていた。
視界まで歪んできたのは、
熱が上がって来たからだろう。
もう、勘弁してほしい。
さっき発作を起こしたばかりの体は、
休息をねだっている。
「よろしければ是非、コンサートに行きませんか?」
言われて、
私は頷いた。
「機会があれば、是非。」
口が勝手にそう紡ぐ。
どうにでもして。
今は、
つまらない話に付き合っていられるほどの
余裕が無いのだ。